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エネマ蔵

性的探究心に突き動かされた僕らのエネマグラ体験コラム集

悪夢

あなたが便秘に悩んでいるならば発想を転換してみるといい。

常時ケツにエネマをぶち込まれていると自分に言い聞かせることだ。

ーーー イブ=ツカンガイー(露・1992~) 

 気がつくと俺は床、壁一面が真っ白に塗られた狭い小部屋に横たわっていた。

体を起こしてみると鈍い頭痛に襲われて思わず顔をしかめる。全身の筋肉もこわばっている。

事態が飲み込めず周囲に目を配ると、右手の壁に、同じく真っ白に塗られた小さなドアがある。

歩み寄ってドアノブに手をかけるが、どうやら鍵がかかっているらしい。

窓はない。日の光の差し込む隙はなく、時刻はおろか、朝か晩かも予想がつかない。

ふと背後の壁を見やるとA4サイズの紙片が貼りつけられている。紙には赤い字でこう書かれていた。

この部屋に用意されたのは 逝くか イクかの 2つの選択肢

逝く を選べば苦悩は少なし あなたはこの部屋で飢えて おしまい

イク を選べば道は険し 前立腺で絶頂に達せよ されば扉は開かれん


足元を見ると白くて小さな棒状の器具が転がっている。

これを肛門に挿れて前立腺を刺激しろというだろうか。さもなくば飢え死にしろと?滅茶苦茶じゃないか!

沸沸と湧き上がる理不尽さへの怒り。

一体誰がこんなイタズラを仕掛けたのだろう。イタズラにしてもやり過ぎだ。誘拐と監禁。冗談では済まされない。

まして前立腺イキなんてものはアダルトビデオ会社が生み出したフィクションに過ぎない。あれはファンタジーであり、男のロマンだ。

こんなくだらない茶番に付き合ってられるか。頭ではそう思っているのに。

有無を言わさぬ強制力が、貼り紙の文字の筆圧からは感じられた。

...


何時間が経っただろうか。

3時間?4時間?それとも10分やそこらかも知れない。

依然として俺は器具を動かし続けていた。

はじめた頃はひりついた肛門周辺の皮膚感覚と同様に、時間感覚までもが失われていた。

飲まず食わずで意識は朦朧とし、からだ全体がエネルギーを浪費することを拒んでいる。

それでも俺は器具を動かし続ける。

「考える暇があったら手を動かせ」

パワハラ、モラハラで悪評のある部署の上司の発言が今ではすんなりと受け入れられる。

この白い部屋を抜け出すためには、それ以外に方法はないのだから。

...


目が覚めると俺は自分の部屋のベッドの上にいた。

悪い夢を見たものだ。異常な渇きを感じる。

時計を確認しようとデスク上に目をやると、見慣れない小さな段ボール箱が視界を妨げる。

箱の中身を開けるとそこには、夢の中でうんざりするほど握った、あの白くて小さな器具が鎮座していた。

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 私は覚悟を決めた。